ビジネスWikiとは

ビジネスWikiとはチームで情報共有できるホワイトボードのようなWEBアプリです。Google DocsやGoogle SheetなどもビジネスWikiとして利用可能ですが、今回ご紹介する3種類のWEBアプリはよりチームでの情報共有を意識した作りになっています。

チームワークにビジネスWikiを導入すべき理由

情報共有といえばSlackやGoogle Hangoutのようなチャット系のアプリが思いつきますが、チャット系のアプリは流れてくる情報が断片的であり、重要な情報がタイムラインに流れて行ってしまうため、プロジェクト情報を共有するような場合には役不足です。更新情報やメンバー間のディスカッションにはチャット系のアプリが便利ですが、決定事項や作業履歴、参照データへのリンクなどを残していくにはビジネスWikiの方が適しています。
担当者にプロジェクトに関する報告を求める場合、担当者のレベルによって報告頻度や報告内容が不均一になりがちですが、ビジネスWikiであれば指示を出しながら情報をまとめていくことができるのでより体系的な情報を残すことが可能になります。
スピードが求められるプロジェクト関連の情報管理にはビジネスWikiが有効です。

クライアントとの情報共有

クライアントに対してプロジェクト報告を行う場合、週次レポートやEmailで行うことが多いかと思いますがあまり生産的ではありません。チーム内で共有している進捗情報をビジネスWikiを利用してリアルタイムにクライアントと共有する方が、無駄な報告書作成の時間が省けます。
またクライアントと情報共有していれば、クライアントの意向をリアルタイムにチームと共有することも可能です。
チームリーダーはメッセージの流れをコントロールしながら、決定事項をビジネスWikiに反映していく役割となります。

導入のポイント

ビジネスWikiはほぼホワイトボードと同じで、文字や画像を自由に記入することができます。しかし自由度が高いデメリットとして、メンバーによっては何をどのように書けば良いのかわからない場合があります。
ビジネスWikiを運用する場合は、チームリーダーが率先して情報を編集し、メンバーにコメントや記入を促すという方法がうまく行きます。

タイトル

タイトルは検索が簡単なように誰もがわかるタイトルをつけます。
わが社では
P001127 Bridge System Web Renewal
のように、プロジェクト番号+クライアント名+プロジェクト名をプロジェクトWikiにつけるようにルールを決めています。

見出し・小見出し

長々と文章を書いているのでは、目的の情報が見つかりにくくなります。なるべく最初に主要な見出しを作成し、必要に応じて小見出しを作成して行きます。
Dropbox Paperの場合、画面の左側にカーソルを近づけると見出しと小見出しのリストが表示されるのでより目的の情報に到達しやすくなります。
またプロジェクトマネジャーがプロジェクトに関する情報が網羅されているかどうかを確認するときにも見出し・小見出しリストは有効です。

レイアウトと編集

基本的にはプロジェクトに関する情報であれば、特に制限を設けずにどんどん皆で書いてもらう方が有益です。プロジェクトミーティングの場合、各個人がノートにメモを取ることがありますが、このようなノートの内容も直接Wikiに書き込んで行った方が便利です。自分一人しか見ないノートに書くよりも皆が共有できる情報にした方が、相互に確認したり、作業の重複を防ぐことも可能です。
チームリーダーはWiki内容を監視しておいて、情報の重複や情報の並び方に問題があれば、随時編集をして整理をします。
ビジネスWikiは情報の編集履歴を残していますから、削除してもあとで元に戻すことが可能です。

Dropbox Paper

Dropbox PaperはDropboxが提供するビジネスWikiサービスです。
新たにページを作成するとほぼ白紙状態のページが表示されますが、タイトル、本文を記入して行けば美しいレイアウトになります。
シンプルな作りですが、Google DriveやWebページのURLを貼りこむと自動的にプレビュー表示をしてくれるなど、機能も充実しています。Dropboxとの連携も充実しており、ページからファイルへのリンクをペーストするとプレビューが表示されます。
長文を入力するとだんだん動作が重くなってくるデメリットがありますが、一般的なプロジェクト情報の共有であれば問題ありません。

Slite

SliteはiA WriterやUlyssesなどのテキストエディタのような3カラム構成になっており、ドライブ>ノートリスト>ノートが一覧表示されます。
複数のノートを前後して利用する場合はSliteが良いでしょう。
文章の一部を選択してコメントを入れたり、URLやタスクの挿入も可能です。
ノート本体のUIはほぼDropboxと同じような使い勝手ですが、動作スピードはSliteの方が若干早いような気がします。

Notion

NotionはビジネスWiki機能に加えて、データベース機能やカレンダー機能を追加した統合プロジェクト管理Wikiです。他のプロジェクトマネジメントシステムに比べても遜色なく、これ1本で全てをまかなうことが可能かもしれません。
特に魅力的なのはWiki内にデータベース機能を持たせることができる点で、タスクの進捗状況の確認やプロジェクトごとの収支などを集計して表示させることができるのは魅力的です。

API連携がかなめ

実はDropbox、Slite、Notion共にAPI連携が弱いのが弱点です。
ビジネスWikiは自由に情報を記入することができるWEBアプリなので、API化が困難であるのかもしれません。現在、SliteはZapierとの連携を計画中だということなので、期待大です。
またNotionはAsanaやDropboxなどからデータのインポートは可能ですが、シンクロするわけではありません。
将来的にはビジネスWikiが外部アプリとAPI連携できることがポイントかと思います。

まとめ

わが社ではビジネスWikiはDropboxを導入していますが、プロジェクトのチームメンバー間で特に報告を求めなくてもDropbox上に情報が更新できるので重宝しています。顧客とも情報共有をしていますが、クライアントのITリテラシーによっては十分活用されない場合があるのが難点です。また大企業はDropboxのアクセスを許可していない場合もあるので、このようなビジネスWikiの導入は困難であるかもしれません。
しかし不定形な情報をまとめておくことで、プロジェクトの進捗も捗り、ミスを未然に防ぐことができるのはビジネスWikiの最大のメリットです。どのような企業でもビジネスWikiを利用することのメリットは大きいと言えるでしょう。