ベトナムでWEBサイトを作る際に、まず最初に行うことは複数の制作会社から見積を取得することでしょう。しかし取得した見積にはかなり価格差がある場合があります。今回のブログではWEBサイトの見積がどのように作られており、品質を維持しながらコストを下げるにはどのようにすれば良いのかについて書きました。

WEBサイトの開発費用は人件費 x 時間

WEBサイトを開発する場合の費用はサーバー費用とドメイン費用をのぞいてほぼ人件費です。例えばあるサイトを開発するのに1.5ヶ月かかり、給料$500のエンジニアが開発をする場合:

見積金額=$500 x 3 x 1.5 = $2,250

となります。給料$500×3=$1,500を人月単価と呼び、システム開発会社やWEB制作会社が見積の基本としているものです。人月単価は会社によってまちまちですが、相場は給料の2倍〜3倍というところでしょう。
またWEBの開発者として$500というのは経験2〜3年の開発者の相場です。

ベトナムでも近年、人件費は高くなりつつありますし、特にIT関連の技術者の給与は高騰しているのが現状です。

ローカルのWEB制作価格の相場

ホーチミン市の場合、地場企業に1.5人月規模で$2,250の見積を持っていっても高すぎるというのが反応です。一般的には10,000,000VND〜15,000,000VND($440〜$660)というのが相場ではないでしょうか。この予算で配分できる人件費は最大で$200〜$300ということになってしまいます。

フリーランサーや契約社員ならまだしも、正社員を使ってこの価格でまともなWEB制作をすることはほぼ不可能です。したがって、手を抜くか、言われた通りに作って出来上がったら面倒を見ないという場合がほとんどです。結局、安物買いの銭失いということになってしまいます。

わが社の相場では$1,200〜$1,500が適正価格であると考えています。もちろん、検索サイトやECサイトのように機能性が求めれられるWEBサイト開発にはさらに費用が必要です。

標準的なWEB開発工数

人月単価はどのような実力・経験のスタッフが制作を行うかによって決まります。それではどの程度の工数がかかるのでしょうか?一般的なベトナム語サイトを開発した場合の事例が以下の通りです:

基本企画・基本デザイン 10日
テンプレートコーディング 5日
詳細ページコーディング(5P) 10日
サーバー設定/テスト/公開 2日

上記の例はホームページ以外に詳細ページを5ページ作成したケースですが、ページ数が増えたり、データベース的な要素が加わった場合には工数が変更になります。また発注者側が提供すべきデータの準備が遅れて日数がかかる場合もあります。

運用とコンテンツに予算を配分する

WEBサイトを作ろうと考えた場合、WEBサイトを公開することにばかり気を取られてしまい、運用とコンテンツに予算を配分することを忘れがちです。開発したばかりのWEBサイトは単なる入れ物にすぎません。コンテンツを定期的に更新していくことによってWEBサイトとしての価値がどんどん高まっていきます。

WEBサイトは公開したと同時に腐り始めます。どんどん新しい技術やデザインが出てきて、後発のWEBサイトの方が優れたものになりますし、放置をしておけばセキュリティもどんどん低下してしまいます。ウィルスやマルウェアも含めて、日々新しい技術が登場するWEBの世界では、メンテナンスとコンテンツ制作を行わなければサイトへのアクセスも低下します。

したがって、WEBサイトを開発する際には年間の運用費も含めて見積を取ることが重要です。

コスト削減のポイント

それでは発注者側の立場に立って、WEBサイトの開発・運用コストを低減するにはどのようにすれば良いのかまとめて見ました。

素材はあらかじめ準備する

発注先のWEB制作会社はWEB技術と制作のプロではあっても、あなたの事業のプロではありません。したがって、WEBサイト上で伝えるべき情報素材はあらかじめ準備を進めておく必要があります。発注をするまでに素材を全て用意しておくことが重要です。
WEB制作をする際に必要となる情報には以下のようなものがあります:

手戻りをなくす

手戻りというのは、いったん承認をしたことや決まったことを後から覆すことです。例えば「ホームページのデザインを承認した後、もっと目立たせたい項目が出てきたのでもう一度ホームページを修正してほしい」などという要望があります。

WEB開発の場合、いったん合意した項目を元に次のステップに進んでいます。そのため、手戻りが発生してしまうとホームページの変更だけではなく、それを元に進めてきた次のステップまで無駄になってしまいます。

制作会社によって、手戻りによって発生した費用は請求しない場合もありますが、手戻りが発生すると開発者の士気にも影響があります。弊社の場合は、手戻りが発生してもいったん当初の計画通り進めさせてもらい、サイトが完成した後で修正を行うように依頼する場合があります。その方が二度手間のようで、実は完成形を見てからの方が決断が早い場合があります。

専門家を信頼する

たまにapple.comのようなサイトを作りたい、とか、amazon.comのようなことがやりたいと言うご要望があります。予算をお聞きすると$1,500という笑えない話があります。一般的に普段私たちが目にするサイトは莫大な費用と人員を割いて開発されています。またサイトの担当者も複数存在しているはずです。私たちはこのような要望に対して現実的なソリューションをご提案しますが、お客様によっては当初のイメージにこだわるあまりサイトの開発が途中で頓挫することもあります。

開発者側としてはきちんと説明をして選択肢を提案するように努めるべきですが、信頼関係がなくなってしまったらプロジェクトを完了させることは困難になります。また完了したとしてもコストが増加する原因にもなります。

自社で更新が可能なサイトにする

開発者がクライアントから信頼をしていただくことは重要なのですが、全て丸投げもコストがかかってしまいます。WEBサイトの開発はあくまでも入れ物を作る作業にすぎません。コンテンツの制作やサイトの運用はクライアント側で独自にできることがコストを抑えるためのポイントです。しかしサイトの設計を間違えたために、自分で更新ができないサイトができてしまう場合もあります。発注に際しては、自社でサイトを更新できるかどうかをよく確認しておく必要があります。

自動化を促進する

例えばWEBサイト上にブログを更新した場合、自動的にFacebookやTwitterも更新できるプログラムを導入するだけで、更新の手間は大きく低減します。ECサイトの場合は注文が入ったと同時に請求書を作成したり、会計ソフトウェアと自動連携することも大きな労力の削減になります。初期投資はかかりますが、なるべく自動化、システム化を促進することがトータルコストの低減になります。

まとめ

Bridge SystemはWEBサイト制作の見積を承っています。お気軽にお問い合わせください。また初期費用を低減したいというお客様のために、月額払いのプランもご用意しております。お気軽にお問い合わせください。