海外で生活するわれわれにとって、外国人スタッフとの情報共有は重要な経営テーマのひとつです。頻繁な会話や指導によって徐々に考え方ややり方を伝えていくことも必要ですが、誰もがいつでも見ることができる文書として残すことも効果的です。そのようなオンラインドキュメントとしてScrapbox.ioは優れています。

scrapbox.ioとは

scrapbox.ioとは「チームのための新しい共有ノート-あらゆる情報を自動で整理することができる画期的な知識共有サービス」です。日本のNota.Incが開発したWikiシステムで、現在無料で使用することができます。

scrapbox.ioでできること

リアルタイムに情報共有

scrapbox.ioは誰かが文章を作成・編集している時にメンバーも同時に文書の作成・編集が可能です。ちょうどGoogle Docsと同じように、同一文書内で複数の人間が作業できます。これは集合知を集めるのに最適です。例えば会社の業務マニュアルのようにフォーマルな文書を集めたものからミーティングアジェンダのように流動性の高い情報までなんでも登録をしておける便利さがあります。

もし社員がメモ帳にメモをとっていたら、その情報はメモ帳をとっている本人だけの情報です。しかしもしスタッフ全員がscrapbox.ioに入力を始めたら、膨大な知識データベースを構築することができます。

複数ドキュメントのリンクが超簡単

scrapbox.ioのメリットの2つ目はドキュメント相互間のリンクやタグが簡単にできるという点です。あるキーワードの前後に[ ]を入力することにより、このキーワードをタイトルとした文書が自動作成されます。

またキーワードの前に#(ハッシュタグ)をつけることによりハッシュタグ検索が可能になります。

このようにキーワードをベースにコンテキスト化を図ることにより、それぞれのドキュメントが独立した文書ではなく、お互いに連動しあった文書の塊となることができます。

画像のアップロードも一発

画像のアップも大変簡単です。単純に画像を挿入したい場所にカーソルを移動して、画像をドラッグ&ドロップするだけです。

Markdownよりも簡単

シンプルテキストの編集にはMarkdownを使用する機会も増えてきましたが、ScrapboxのタグはMarkdownよりもシンプルにできています。ヘッダの設定、太字、イタリック文字をはじめとして、表組みの表示やコードの表示も簡単なタグで可能です。全社導入する際に教育期間が短くて済むことも重要な要素です。

強力な検索

Scrapboxl.ioにはシンプルで強力な検索機能がついています。キーワードを入力すると該当するドキュメントが全て表示されますので、あえてインデックスを作らなくても良いほどです。

scrapbox.io導入の課題

スタッフに使い方を教える

比較的、学習期間が少なくても導入可能なscrapbox.ioですが、IT経験の少ないスタッフにも入力ができるように教えていくことはこれからの課題です。

モバイル対応

ぜひモバイル用アプリを開発してほしいと願っていますが、現時点でScrapbox.io用の純正モバイルアプリはありません。デスクトップPCからの使用が前提となります。

外部アプリケーションとのAPI連動

EvernoteやGoogle Docsは外部アプリケーションとのAPI連動が可能です。リマインダーに入力したテキスト項目をEvernoteにリスト表示させたり、Googleスプレッドシートにレコード作成するといったアプリケーション間の連動が可能なのですが、Scrapbox.ioはそこまでのオープンなAPI連動が一般公開されていません。将来、Scrapbox.ioがグローバルに利用されるようになればこのようなAPI連動へのニーズは高まってくるものと思われます。

社内業務マニュアルを公開します!

今回Scrapbox.ioで作成中のわが社の業務マニュアル(英語)を公開します。一部日本語の部分もありますが、日本語で作成して英訳した際にあえて消さずに残したままにしているものです。まだ執筆途中でいつ完成するかわかりませんが、海外で事業を行う際に業務マニュアルが必要な方には役立つと思います。お役に立てれば幸いです。